昔 下之郷村に白弓忠左衛門という者がおりました。
この白弓忠左衛門は加藤清正の旧将で、太閤秀吉の朝鮮出兵の際の有名な逸話 「加藤清正の虎退治」にも同行しました。
その際、忠左衛門は、この虎に弓を射かけ、これを負傷させ、肉付の虎の爪を得ました。
日本に戻った際、この話を秀吉に報告したところ、その褒美として、白弓(白木で作られた飾りのない弓)、矢壷、竹杖三本、金瘡の妙薬を賜り、またその際に「白弓」の氏も頂戴している。
また、この白弓忠左衛門の屋敷の側に白木橋という橋があるが、これも「白木の弓」より名前を付けられている。
鴛鴦物語は、この白木橋で起こった出来事のお話である。