忠左衛門が見た夢とは・・・
夢の中で、一人の女性が出てきて、その女性は、自分は突然に夫を失い大変に悲しい思いをしていると言う。
忠左衛門は女性が何故自分にそんな話をするか分からなかったが、何しろ夢の中のことである。物の怪に化かされているかと思いもしたが、逃げるわけにもいかず、その話を黙って聞いていた。
すると突然、その女性が忠左衛門の食した雄鳥の頭が側に落ちているの気づき、この雄鳥の頭を懐に抱えると忽ち雌鳥に姿を変え、飛び去って行った。忠左衛門はそこで夢から覚めた。
忠左衛門は、また奇妙な夢を見たものだとは思いはしたが、二度とその女性が夢に出てくることもなかったので、いつの間にかこのことを忘れてしまった。